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古文の宿題で、(訳を見てもいいから)「源氏物語」か「徒然草」のどちらかを読んで、感想文を書きなさいとあった。
幼かった私は、それまでエッセイと言うものを読んだことがなかった。
だが、学校でその一節を教わっては、「これは面白い!」と感動した。
徒然草を選んだ。
それに、源氏物語はよく分からなかったのだ。
本屋へ行き、それを買って家に持ち帰るのもはやりつつ、それは光を放つような宝物だった。
自分の部屋に篭り、大事に読み進めては、また一節読み進め、世捨て人に憧れた。
「これはいい宿題になりそうだ」
満足した。
一秒さえも惜しく、続きが読みたい。
でも、すぐ読み終えて仕舞うも、勿体無い。
とりあえず一息就いて、私はこの素晴らしさを両親に伝えようとした。
これは教えてあげなければ、と。
この本を勧めようと。
おかあさん、おとうさん、これこんな宿題があってね、私、もちろん徒然草のを選んでね・・・
「ばぁあかバイ、源氏物語のが面白いてから」(バカだねぇ、源氏物語の方が面白いに決まってるじゃないか)
でもね、でもね、おかあさん、徒然草はね・・・
「いやぁ、源氏物語にせにゃんもん」(オイオイ、気は確かか? このダボがぁ! そこは源氏物語にすべきだろが、このヌケサクがァ!)
私ね、この時 分からなくなった。
私は何か大事なことが理解できてないのだろうか。
わからない、わからない。
文学ってそんなに難しいんだ、だめだ、とても太刀打ち出来ない。
それから私はめっきりタテガキを読まなくなった。
人生の分かれ道だったなぁ。
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